新会社法が施行されました
これまで会社に関する規定は商法第2編、有限会社法、商法特例法など様々な法律に分散しており一つの法律にまとまっていませんでした。
今回の新法は、これらを一つの法律(新「会社法」)にまとめて、さらに分かりやすく再編成が行われたものになります。そこで、この新会社法が私たち中小企業にどのような影響を与えるか形態別にみていきます。
●現在、個人事業の方へ(これから起業を考えている方も含む)
新会社法では株式会社の設立が極めて簡単になりました。主な要点は以下の通りです。
①最低資本金規制が撤廃され、1円の資本金で会社設立が可能になりました。
②類似商号の規制がなくなり自由な商号をつけることが可能になりました。
③機関設計が柔軟化され取締役は一人でもよくなり、取締役・監査役の任 期は最大10年まで延長できることになりました。
●現在、有限会社の方へ(有限会社制度が廃止されました。)
新会社法の施行に伴い有限会社法は廃止されました。今までの有限会社は「特例有限会社」として存続可能(扱いは株式会社)です。但し、商号に「有限会社」を使用しなければならない事になっております。また、新しく有限会社の設立はできません。現在の有限会社を「特例有限会社」として存続させるか、株式会社に移行するか悩むところでありますが主なメリット・デメリットは次の通りです。
(1)そのまま有限会社として続ける場合
①役員の任期がありません。
②決算広告の義務がありません。
(2)株式会社へ移行する場合
①対外的なイメ-ジアップ、信用力が期待できる。
②会社の機関設計を自由にできる。
③資本金規制は撤廃されるので資本金は現在のままで可能、また減資も可能。
④株式会社への登記費用がかかる。
⑤定期的に役員の改選が必要となる。
⑥決算広告義務が生じる。
⑦社印の再作成、社名が印刷されている名刺や封筒等の印刷費用がかかる。
有限会社から株式会社への移行はいつでも可能です。外見的なイメ-ジと移行に伴う負担増加の検討が必要になると思われます。
●現在、株式会社の方へ
①役員の人数は取締役一人でも可能、監査役も不要にできます。また役員の任期も最大10年にできます。
② 取締役会は不要にできます。(譲渡制限会社の場合)。
③ 新しい役員制度である会計参与が導入されました。会計参与とは、税理士・公認会計士等が就任することができ、取締役と共同して計算書類の作成・説明・開示等を行う会社内部の機関です。設置は会社の任意です。
④中小企業会計指針に準じた会計処理が推奨されます。
(会計参与設置会社はほぼ強制適用)
⑤最低資本金制度が廃止されたので資本金の引き下げも可能になりました。減資により、未処理損失を補填することもできます。
⑥臨時株主総会で、いつでも剰余金の配当ができるようになります。決算時の利益処分案はなくなりました。
⑦金庫株(自己株式)制度の利用が改善され、より使い勝手のよいものになります。定款により相続時の株式移転に制限をつけることも可能になり相続対策、事業承継として活用できます。
以上、主な改正点を事業形態別にまとめました。その他、新会社法では社債の発行、デットエクィティスワップ、現物出資の要件等、様々な改正が行われましたので詳しくは各担当者までお問い合わせ下さい。
