2017.07.31 物納できる財産の順位と範囲が変わりました
国税は、金銭で納付することが原則ですが、相続税に限っては、金銭で納付することを困難とする事由がある場合には、一定の相続財産で納付することが認められています。
平成29年度税制改正により、平成29年4月1日以降の物納申請分から物納できる財産の順位変更と範囲拡大が行われました。
改正内容
1.これまで物納順位が第2順位であった社債及び株式等の有価証券のうち、金融商品取引所に上場されているもの等が第1順位となりました。
2.これまで物納できなかった有価証券でも、金融商品取引所に上場されているもの等は第1順位で物納できるようになりました。
物納に充てることのできる財産の種類とその順位
順位 | 物納に充てることのできる財産の種類 |
第1順位 | ① 不動産、船舶、国債証券、地方債証券、上場株式等
② 不動産及び上場株式のうち物納劣後財産に該当するもの |
第2順位 | ③ 非上場株式等
④ 非上場株式のうち物納劣後財産に該当するもの |
第3順位 | ⑤ 動産 |
※〇数字は優先順位
特定登録美術品は、上の表の順位によることなく物納に充てることのできる財産とすることができます。
上場株式等とは?
金融商品取引所に上場されている次の有価証券
- 社債券(特別の法律により法人の発行する債券を含み、短期社債等に係る有価証券を除く。)
- 株券(特別の法律により法人の発行する出資証券を含む。)
- 証券投資信託の受益証券
- 貸付信託の受益証券
- 新株予約権証券
- 投資信託の受益証券(証券投資信託を除く。)
- 投資証券
- 特定目的信託の受益証券
- 受益証券発行信託の受益証券
金融商品取引所に上場されていない次の有価証券
- オープンエンド型の證券投資信託の受益証券
- オープンエンド型の投資法人が発行する投資証券
非上場株式等とは?
金融商品取引所に上場されていない次の有価証券
- 社債券(特別の法律により法人の発行する債券を含み、短期社債等に係る有価証券を除く。)
- 株券(特別の法律により法人の発行する出資証券を含む。)
- 証券投資信託の受益証券(第1順位のものを除く。)
- 貸付信託の受益証券
相続税の物納が認められるためには、延納によっても金銭で納付することが困難な事由があること、期限内に「物納申請書」等の必要書類を提出することなど他の要件もございます。
不明点などございましたら、当事務所までお問い合わせください。