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2017.11.30 HBOC診断者が受ける乳房切除手術費用等も医療費控除の対象

【所得税関係】
 遺伝性乳がん・卵巣がん症候群、いわゆるHBOCと診断された者が受ける
乳房切除手術費用、両側卵巣卵管切除手術費用も、一定要件を満たしたもので
あれば医療費控除の対象になることが、大阪国税局の文書回答で明らかになっ
た。
 これは、乳がん・卵巣がんの治療に当たる病院からの照会に応えたもの。H
BOCが疑われる患者には遺伝カウンセリングと遺伝子検査を行い、HBOC
と確定診断された者が希望する場合は、乳房切除手術又は両側卵巣卵管切除手
術が行われ、術後の経過観察も行われる。しかし、これらの治療、手術等は保
険診療対象外のため、保険診療の際の診療報酬額に準じた額が自費診療として
患者に請求される。所得税法上、診療又は治療の対価のうち、一般的な水準を
著しく超えない部分の金額は医療費控除の対象となるものの、人間ドック等の
健康診断費用は治療を伴わないため対象外。ただ、診断によって疾病が発見さ
れ、引き続き疾病の治療が行われた場合は医療費に該当する(所得税基本通達
73-4)。
 そこで、HBOCと診断された者が受ける手術は治療の一環であり、その費
用は医師による診療又は治療の対価になる。また、遺伝子検査等の費用は原則
医療費控除の対象にはならないが、照会者はHBOCと判明して引き続き手術
が行われる場合は対象になるのでは――と確認したわけだが、大阪局は照会者
の求める見解で差し支えない旨を回答した。
               (2017.11.27 No.4439)

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